
今回は「専用機械導入で得られるメリット」についてお話しします。私が考える専用機械の価値とは、単に機械を導入して終わりではなく、お客様が抱える課題や実現したい状態を正確にヒアリングし、導入後にその効果を最大化することにあります。具体的に得られる効果は主に以下の3つです。
1. 安全性の向上
専用機械の導入メリットのひとつとして安全性の向上が挙げられます。
人と接触しにくい設計
作業中の危険箇所を物理的に遮断
センサーやインターロック装置で事故を予防
たとえば、これまでは複数人数で行っていた重い部材の移動や組立作業を、専用機械によって一人で安全に行えるようにした例があります。重たいものを手作業で運ぶリスクや複数人で作業する際のヒヤリハットが減り、結果的に作業者の身体的負担も大幅に軽減されます。
2. 生産性の向上
次に挙げられるのが生産性の向上です。
自動化による作業時間の短縮
高精度化・高品質化によるロス削減
複数人数を必要としていた工程を1人でも遂行できる環境づくり
私自身、これまで複数名で行っていた作業を1名でかつ安全に行えるようになる装置をいくつも導入してきました。ある装置では、同じ作業時間内で2倍以上の生産量を実現したケースもあります。結果、製品品質の安定化や不良品の減少にも寄与し、総合的なコスト削減につながっています。
3. 省力化・省人化
3つ目の効果として、省力化・省人化が挙げられます。
作業工数を削減し、人員配置を最適化
人手不足対策や労働コストの削減
人手による作業では難しかった細かい動作や繰り返し作業を自動化
近年、人材不足の問題はますます深刻化しています。そこで、機械化による省力化・省人化は企業の重要な課題解決策のひとつとなっています。高額な機械装置(2千万円を超えるようなケース)であっても、結果として複数の効果(安全性・生産性・省人化)が同時に得られることが多く、十分に導入メリットを見込むことができます。
具体的なコスト削減の例
作業時間の短縮による人件費削減
短縮した時間をほかの業務にあてることで、社内全体の生産性が向上。
残業の削減や追加人員の確保が不要になるケースも。
不良品削減による材料費・廃棄コストの低減
作業の自動化で品質ばらつきを抑え、不良率が下がる。
結果として、材料費や廃棄コストの削減につながる。
安全対策コストの低減
作業者が危険な工程に直接触れなくなるため、怪我などによる補償や災害対応コストを大幅に減らせる。
導入のベストタイミング
専用機械の導入を検討する際、レイアウトが決まってしまったあとでは制約が多くなり、導入コストが高くなりがちです。ですので、大がかりなレイアウト変更時に専用機械導入も一緒に計画することで、最適な配置や動線が確保でき、効率のよい導入・運用が可能となります。
まとめ
専用機械導入で得られる主なメリットは3つ:安全性の向上、生産性の向上、省力化・省人化
複数の効果が重なり合うことで、大きなコスト削減や作業効率アップを実現
大がかりなレイアウト変更時に導入を検討するのがベター
専用機械は単なる設備投資ではなく、お客様が抱える問題を解決し、理想の生産体制を実現するための重要なパートナーといえます。導入をご検討の際は、ぜひ事前に「何を解決したいのか」「どのような状態を目指すのか」を明確にし、最適な専用機械を選んでみてください。導入後のサポートや効果測定も含め、トータルで計画・運用することで、投資以上のリターンを得られるはずです。